ジャック・リーチャー NEVER GO BACK ★★★

Jack Reacher: Never Go Back
2016 スコープサイズ 118分
イオンシネマ京都桂川

■『アウトロー』に次ぐシリーズ第二作で、トム・クルーズの新たなドル箱シリーズになりそうな予感。監督は相性のよいエドワード・ズィックを招聘して、シリーズ化を盤石にする狙いがあると見た。その思惑は確かに成功で、前作にあった70年代アクション映画への目くばせや主人公の性格付けの捻りといった独特の癖が減って、より平易な作風になっている。
■とにかくお話は単純で、スパイ容疑で逮捕されたかつての同僚ターナー少佐の潔白を証明すべく軍部の陰謀を探るうちに、何者かに命を狙われ、さらにジャックの娘を名乗る少女が巻き込まれてゆくというもので、謎解きの部分は単純だし、アクション演出にも新味は無いので、正直2時間は長い。90分くらいがちょうどいいボリュームだと思うが、まあ、コビー・スマルダーズもごつい体でアクションを頑張るし、要所要所をトム・クルーズが締めるという構成で持たせる。
■しかし、活劇そのものの見せ方よりも、娘かもしれない少女との道行のほうに映画の面白さが割り振られていて、ラストあたりはちゃんとしんみりさせる作劇と演出はうまいものだし、トム・クルーズの芝居の上手さが際立つ。完全にスター映画の作り方だし、まるで東映映画。
■文句をつければ、トム・クルーズに漂泊感が全くなく、流れ者の寂寞も感じられず、流れ者映画のはずなのに、ちっとも流れている感じがしないのがこのシリーズの根本的な弱点だが、最後にトム・クルーズが微笑めば、どうでもいいやそんなことと思わせるから、これでいいのだ、これで。顔面のぜい肉や凸凹も隠そうとはせず、男の顔は履歴書の精神を全うしようとするトム・クルーズは本当に偉いし、カッコいい。