■原作:カルロ・ゴルドーニ、上演台本・演出:三谷幸喜、出演:大竹しのぶ、岡本健一、木村佳乃、中川晃教、高橋克実、八嶋智人、峯村リエ、遠山俊也、春海四方、浅野和之、小野武彦、段田安則 @NHK-BSプレミアム「プレミアムステージ」
■原作の戯曲を三谷幸喜が大幅に書き換えたものらしい。確かにテンポは速いし、くすぐりも楽しいので、退屈はしないのだが、何がしたかったのだろうという疑問だけが残る。大竹しのぶもなあ、決して上手いとも言えないし、痛々しいというのも違う、なんだろうこのいたたまれなさは。映画祭を舞台に、映画監督と往年の大女優の復帰作を競って織りなす喜劇だが、その映画に関するやり取りの底の浅さも、あえて観客に親切にそうしているのかもしれないが、観ていて痛い。
■脇役では峯村リエが目立つし、高橋克実の異形感がなかなかの見どころ。北村想の『グッドバイ』でも怪優ぶりが目立ったけど、この人テレビではお茶の間向けの親しみやすい風貌を見せるものの、案外変な味を持っている。スペインの映画監督を演じて中盤の見せ場をさらう。変にマッチョなガタイが異形感の源泉だな。木村佳乃も、こういうのを役不足と言うんだろうなあ。