バッド・ルーテナント ★★★☆

THE BAD LIEUTENANT: PORT OF CALL NEW ORLEANS
2010 ヴィスタサイズ 122分
DVD

■何故かニュージャーマンシネマの旗手、ヴェルナー・ヘルツォークが監督した悪徳警官もののハリウッド映画。しかし、所以がニコラス・ケイジということもあり、一筋縄ではいかない変な映画になっている。それでもアクション映画としての面白さには不足がなく、きわめてユニークな警官映画と言える。

■腰を痛めたという設定のニコラス・ケイジの変な演技とか、彼が見る幻覚に登場するイグアナのイメージとか、もうやり放題の奇天烈さなのだが、難事件は、まるで古沢憲吾の無責任男シリーズのように、嘘のような解決を迎える。そのあれよあれよという有様は本当に大爆笑なのだが、映画は主人公の救済を示唆して終わる。本作のテーマはドラッグではなく、主人公の迷い込む煉獄の象徴として扱われているのだろう。全く違っているはずだが、何故か、ウディ・アレンのコメディ映画を想起したユニークな秀作。


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