トロピック・サンダー 史上最低の作戦 ★★★

TROPIC THUNDER
2008 スコープサイズ 107分
イオンシネマ久御山(SC3)

ベトナムを舞台とした戦争アクション映画の撮影に真実味が足りないと感じた新進監督は、現実のジャングルに爆薬を仕掛けて、役者たちだけを置き去りにしてドキュメンタリーとして撮影することを思いつくが、そこは現実の戦場だった・・・

ベン・スティラーが脚本、監督、主演を務める、ハリウッド映画をシニカルに皮肉ったアメリカン・コメディだが、ちゃんと火薬の量を競った80年代戦争筋肉アクションへの偏愛がこもった映画なので、観ていて厭な気はしない。導入部分にずいぶんとグロテスクな(あまりにアメリカンな)ギャグが配置されているので、大丈夫かと心配するが、後半はちゃんと定石どおりにエピソードが集約してゆき、サスペンスとアクションと各キャラクターのエピソードが綺麗に着地するから安心した。ウェルメイドなコメディであり、ちゃんとアクション映画のカタルシスも用意された贅沢な映画である。巻頭とラストの対比の仕方も定石ながら見事。

トム・クルーズの怪演は、別に彼でなくても成立するが、よっぽどストレスが溜まっていたのだろう。(何の?)一方、80年代アクションの勇者でもあるニック・ノルティの捻った使い方も効果絶大で、素直に楽しいよ。



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