ザ・タウン ★★★☆

THE TOWN
2010 スコープサイズ 123分
ユナイテッドシネマ大津(SC2)

■銀行強盗が世襲されるという犯罪都市、ボストンのチャールズタウンで、銀行強盗の男が人質とした支店長の女を見張るうち恋におち、足を洗って街を出ようと試みるが、悪い仲間たちは容易に許してはくれない・・・

■というオーソドックスな犯罪映画をベン・アフレックが監督主演で贈る、なかなかの良作。お話の構築としては、ある意味でありふれたものだが、作劇のディテールが見事で、誰が見ても納得も得心もする作りになっている。ベン・アフレックイーストウッドの後を継ごうとしているのだろうか。

■主人公の父親役をクリス・クーパー、街の裏社会の大物をピート・ポスルスウェイトが貫録たっぷりに演じて、説得力満点。ベン・アフレックの演出は、特に斬新な映像表現や奇をてらったストーリーテリングを狙ったものではなく、どちらかと言えば地味なものだが、実に着実で、リメイク映画やCG映画で見失われがちな、ハリウッド映画の良さをよく発揮している。王道と言える、アクション映画らしいアクション映画である。これくらいの水準の映画が、年間に何本もあるところにハリウッド映画の凄さがあるはずなのだが、すっかり減ってしまったね。

■男騒ぎの映画なので、カーアクションとか、クライマックスの銃撃戦など、もっと短くてもいいと思うけどね。男の顔で勝負する映画だから。

■ちなみに、この映画が気に入ったら、神山征二郎の「三たびの海峡」を観ることをお勧めする。男の誇りのあり方、描き方に興味深い共通点がある。

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