ザ・コンサルタント ★★★☆

THE ACCOUNTANT
2017 スコープサイズ 128分
イオンシネマ京都桂川

■きわめて有能な会計士だが、裏社会の会計処理を請け負い、必殺の殺し屋でもある謎の男がハイテク企業の会計不正に巻き込まれて・・・というワーナー配給らしい痛快活劇。本当はTジョイ京都で観るのが正解なのだが、イオンシネマでもやっているので、ついついイオンで観ちゃったよ。

■正直アクション演出には新味はなく、オーソドックスなものだが、本作の見どころはそこではなく、ベン・アフレック演じる発達障害の男がいかに生い立って、今も苦しみながら生き続けているかというところにある。回想シーンを多用してそのことは描かれるのだが、治らない障害と折り合いをつけながら、それでも自分が潰れてしまわないように、ガス抜きをしながら生き続ける孤独な男の肖像が、ベン・アフレックの朴訥な佇まいとうまくマッチしている。そこがこの映画の一番の見どころ。ベン・アフレックは決して下手な役者じゃないからね。

■主人公のバックボーンについてはX-MENとか巨人の星とかタイガーマスクとかの漫画たちが大きな影響を与えているのもなんだか親近感を増す。特に冒頭と終幕である登場人物を挟んで呼応する脚本構成は、定石とはいいながら非常に感動的で、ほんとに上出来だ。

■アクション映画として食い足りないのは、結局身内の話に収束してしまうからで、そちらの趣向については配役も弱くて、正直あまり成功していないと感じたな。

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