
基本情報
企画:渡辺弘 製作:名取敏行 作:ピンク地底人3号 美術:杉浦充 照明:桜井真澄 演出:生田みゆき
会場はまさにアングラ演劇?
■たまたま手にしたチラシが秀逸だったので、これは観ておきたいと思った舞台『燃える花嫁』を観てきたよ。ロームシアター京都に入るの始めてだったわ。しかもノースホールは地下深くに秘密裏に掘られたアングラ劇場で、というのは半分冗談だけど、アングラ感は凄かったね。シアターの2/3くらいのスペースに階段状の座席を組んで舞台を見せるので、臨場感がえらいことに。最前列で観ると、役者のつばもかかるし、息遣いがそのまま肌に触るし、目が合うから恥ずかしいよね、という状態。途中でトイレに行くと、完全に途中で舞台に侵入してしまうし、下手から出入りする役者と動線がかち合うぞ。
■ピンク地底人3号の書き下ろしで、移民とか難民をテーマにしてくれ、近未来の日本で、というお題だったそうで、実際、近未来SFになっている。川口のクルド人問題を扱うという情報があり、チラシのデザインにはガザとかアフガニスタンとかも明記されているので、もっと実録寄りで、今の日本に寄せてくるのかと思いきや、近未来の話だった。しかも、移民は、外見は日本人と同じ、ただし「ザ行が濁らない関西人」として識別できるという、なかなか洒落た設定。でも、この設定を飲み込むのに、少し時間がかかるので、事前情報として知っておいたほうが、話に入りやすい。
少子高齢化の近未来
■移民排斥が激化し始めた過去(現実の今)と、移民なしでは成り立たないから移民容認へかじを切る現在(将来)の日本と行き来しながら展開するので、作劇上および演出上のギミックがあり、時制の跳躍が楽しくて快感になってくる。
■簡単にいうと、解体業を営む移民一家で、移民なので大学へ受け入れられない主人公アカリ(平体まひろ@文学座)が、自分の生きる道を探し、選択するまでを描くお話で、そこに謎のトラック運転手のマキ(森尾舞@名取事務所)がメンターとしてアカリに絡むことになる。いかにも訳アリ気なクールなトラック姉ちゃんマキの、驚愕の過去。謎のカリスマの書いた本、反政府ゲリラ、凄腕スナイパー。パワーワード満載だ。そして、森尾舞、カッコいい。戦い方はひとつじゃない。自分で選べ!という、明快なメッセージも大変結構。移民排斥に傾くけど、結局少子高齢化の日本では移民に頼らないと社会がやっていけないので、大幅に緩和されることになる将来は、避けられないこの国のリアルな形だよね。そのことをライトなSFの形で、描き出す。もっと巨視的な視点で考えれば、本格的なSF小説を読むことになるけどね。
■そもそもこうした小演劇は昔観た燐光群とかの前衛的な難解なイメージしかなくて、いっときNHKでいっぱい放送していた時期に色々見ることが出来たけど、最近はすっかりNHKもやらなくなってしまった。本作は、お話としては非常にわかりやすくて、笑いと涙の娯楽活劇(?)になっていて、2時間10分の公演があっという間だった。こういう舞台、むかしなら、NHKが放映していたのになあ。
作劇構成について雑感
■最近の映画でも歌でも舞台でも、冒頭でクライマックスを見せる構成が多くて、シナリオ作法でいわゆる「張り手型」になっている。昔の上品な松竹映画とか成瀬映画などは「撫で型」で、ゆっくりと人間関係とかを語り起こすのだけど、最近は廃れましたね。まず、派手な見せ場で目を引こうとする。本作も同様で、マキの場面から始まって、過去に戻る構成。
■演劇の場合は、最初どうしても客席がざわざわするので、観客の心の準備ができるまでは、あまり複雑な難しいことはすべきでなくて、観客が世界観に染まって温まってくるのを待ってから、本題に入るというのがオーソドックスな作法らしく、宝塚なら、まず歌とダンスから入って、観客を別世界に送り込んでから、おもむろにドラマが始まる。あの呼吸は、映画やドラマを中心に観ていると違和感を感じたものだが、演劇の場合は観客の生理に沿ったものらしい。そういや文楽だって、そうだよね。ということを最近理解しました。
■なので、後から考えてみると、冒頭の場面はそこに繋がるのねと分かる仕掛け。
ピンク地底人3号、出現!
■若手注目株の劇作家らしく、本作台本もガストで執筆されたそうです。しかし、1年9ヶ月も執筆にかかると、全くコスパ無視というか、食っていけるのか?というレベル。
■こちらに、無料で読める過去作の戯曲が公開されています。長いので印刷が大変で、まだ読んでないけど、きっと読みます。
playtextdigitalarchive.com
■ただ、弁護士の昌美は、ただのおばちゃんにしか見えず、もう少し弁護士ぽさが欲しい気がした。人間性は普通のおばちゃんだけど、ちゃんと高度専門職ですよというところをきっちりと見せておいたほうが良いと思う。これは台詞の工夫だろうと思う。(見逃しているかもしれんが)
参考
15年くらい前には、NHKでもこんなの放送していたのだ。前田司郎を知りました。
maricozy.hatenablog.jp
むかしNHKにはミッドナイトステージ館という枠がありましてね、良い演劇を堪能できた。
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