ミッドナイト・イーグル
2007 スコープサイズ 131分
DVD
原作■高嶋哲夫 脚本■長谷川康夫、飯田健三郎
撮影■山本英夫 照明■小野晃
美術■及川一 音楽■小林武史
視覚効果■松本肇
監督■成島出
■いくらなんでも原作小説はここまで酷いことはないと思うが、映画は誰が見ても最低の噴飯映画。アクションもサスペンスも何もない。お話自体は、多分原作者が唖然とするほど刈り込まれ、極端に単純化、なのに最低限必要な説明が無く、疑問だらけで観客は取り残される。日本映画がもっとも不得手とするジャンルにうかつに手を出して、案の定製作者も観客も酷い目にあったという、日本映画界が何度でも繰り返す、典型的な失敗例。
■まだしも、ラストの×××の爆発シーンという、大特撮の見せ場がそれなりのできであれば許そうとも思ったが、あっさりと省略。全体にデジタルエフェクトは盛りだくさんだが、サスペンスもアクションも不得手な監督なので、当然スペクタクルにも興味が無いらしい。
■竹内結子の不機嫌なオールドミス（死語？）風のブスッとした表情は、演技というよりもなんだか映画で見せてはいけないものを観てしまったような気がするし、主演の大沢たかお、玉山宏、吉田栄作というトリオの顔ぶれも、どないせいというのか。吉田栄作なんて観たのは何年ぶりだろうか。正直、ここまで酷いとは予想しなかった。藤竜也はいい役者なんだが、ここでは演技設計が間違っている。というか、藤竜也としてはそうせざるを得なかったのだろうが、失笑を誘うだけだ。
■製作はユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン、松竹ほか、制作はデスティニー、クロスメディア。
