真夏のオリオン
2009 スコープサイズ 119分
DVD
原作■池上司 監修・脚色■福井晴敏 脚本■飯田健三郎、長谷川康夫
撮影■山本英夫 照明■小野晃
美術■金田克美 音楽■岩代太郎 視覚効果■松本肇
監督■篠原哲雄
■あまりいい評判は聞かなかったのだが、監督が篠原哲雄なので、一応観てみた。評判どおり、戦争映画と恋愛映画がどっちつかずの結果を招いており、お世辞にも褒められた映画ではない。
■今回は主演の玉木宏が特にひどく、どんな人物なのか最後まで分かりかねる。演技の質が本作に合っていないのも事実だし、監督の演技コントロールが効いていない。ヒロインの北川景子も、「美少女戦士セーラームーン」の生彩は今いずこ、まったく色気も華も無く、篠原監督の腕の見せ所のはずが、全く空振りしている。基本的に、篠原哲雄は男のドラマが下手ということだろうか。
■メロドラマならメロドラマ、潜水艦映画ならそれなりに、焦点を絞らないと、こんな企画成り立つはずがないのだが、テレビ局主導映画の悪いところ如実に出てしまった。「ローレライ」の二番煎じという印象も終始ぬぐえない。
■特撮は、CGよりもミニチュア撮影に主眼が置かれているようで、撮影村川聡、美術春日佳行、操演関山和昭というスタッフ編成で、洋上シーンなど、ミニチュア撮り切りのカットすら存在する。松本肇が実質的に特撮監督を務めているようで、「鉄人28号」とか「阿修羅城の瞳」といった残念な作品群を思い出してしまう・・・まあ、特撮監督を立てても「亡国のイージス」程度にしかならないので、肩書はどうでもいいわけだが。本作は監督の淡白な絵作りに呼応して、特撮カットも全般に地味で、特撮のスペクタクルを見せるという姿勢ではない。だから松本肇を呼んできたわけだろうが、ドラマが薄いので、東宝戦記映画らしくせめて大特撮を見せてほしかったところだ。本来なら川北紘一に撮って欲しいところだ。
参考
正直なところ、福井晴敏が関わるとろくなことがないという印象です。なにか業界事情があるのでしょうか?
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