実は大幅な予算削減では?ウルトラマンブレーザー#5から#8まで(感想/レビュー/考察なし)

ウルトラマンブレーザーはきちんと毎週観てますが、感想の投入が遅れました。というのも、ちょっと思っていたのと路線が違うようだぞと感じたため。最初は田口清隆監督が趣味とするところのゴリゴリ(陸自)ミリタリズム路線で異例の展開だったけど、監督がかわるとやっぱりもう少し緩くなった。いや、お話も演出もだいぶゆるくて、調子が狂ったのだ。

■それにこのシリーズ、かなり予算が削減されているように見える。前シリーズまでは3DCGを大量投入して、ビル破壊はミニチュアも結構大盤振る舞いだったうえに、CGによる破壊も盛りだくさんだったのに、ブレーザーは3DCGは使わないというスタッフ編成になっている。

■しかも、前シリーズまで大充実していたミニチュア三昧のビル街のセットは登場せず、完全にピンポイントのミニチュアしか使用していない。このあたりの緊縮財政は、毎回新怪獣のヌイグルミを制作することを優先したせいかもしれない。という気がする。

■この方針変更のアオリを一番受けたのが、辻本貴則監督じゃなかろうか。おなじみのミニチュア愛の発露とか、地割れフェチとか、ミニチュア車両偏愛とか、これまでのおなじみの辻本節特撮が封印されているのは、正直残念。ミニチュア車両偏愛は#6「侵略のオーロラ」(脚本:継田淳でも見られたけど、#5「山が吠える」(脚本:継田淳の山間部セットなどはさすがに寂しい。それに樹木のミニチュア表現はもう少し改善したいところ。(美術部さんよろしく)

■ニジカガチが登場し、アースガロンが追加装備でますます川北版メカゴジラに似てくる#7「虹が出た 前編」#8「虹が出た 後編」(脚本:山崎太基)は中川和博監督の手付きがまるで映画のような古風な重厚さで、パイロット版を撮った田口清隆との映像表現スタイルの対比が凄い。正直、ちょっと気恥ずかしいくらい。

■しかも、特撮シーンは必要最小限って感じで、前シリーズまでのような延々と特撮シーンが(だらだら)続くようなスタイルとは明確に差別化されて、ドラマ重視の姿勢。前述のようにミニチュア特撮は薄味なんだけど、台風の目の付近の雲の情景などいくつかの合成カット(特にロングショットが秀逸)に気合を込めている印象。ドラマ的には、怪獣を使って文明をリセットしようとする怪獣テロリストもので、新味はないし、その動機に怨念を込めたほうが観ている方は納得しやすい気がするけどね。というか、動機次第ってドラマだよね。ただ、どうしても『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に似てくるからなあ。。。
maricozy.hatenablog.jp

■でも、こうした読み切りのドラマ重視のウルトラをやるなら、ぜったい脚本に岩下悠子を呼んでくるべきなのに、ずっと言ってるけど、いつになったら叶うのかなあ。。。(岩下悠子ももう大ベテランなので、今さらウルトラやる気はないかもしれないが)

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