コレヒドール戦記 ★★★

They Were Expendable
1945 スタンダードサイズ 135分
DVD

■第二次大戦の終戦後に製作されたらしいジョン・フォードの戦記映画。確かに、この映画、完全に戦意喪失映画なので、さすがに戦時中には作れないだろう。

■フィリピンに配備された魚雷艇隊の将兵たちを主人公として、戦友たちが散り散りになっていき、魚雷艇じたいも撃沈されたり、陸軍に徴用されたりして数を減らしてゆく様子を、ジョン・フォード特有の詩情と重苦しいやるせなさの中に描いた不思議な映画。消耗品としての兵隊や艦船の姿を無常感すら感じさせるタッチで描く。

■戦場で知り合った美貌の看護婦は行方不明となり、戦地に残された戦友たちを迎えに来る友軍機はもうないだろうというやるせないラスト。そこに、マッカーサーの「アイシャルリターン」の声明が字幕で被るけど、実に皮肉に聞こえる仕掛け。1万人将兵の憧れと言われる美人看護婦を招いてのささやかなパーティの場面など、さすがに名匠の演出だし、ジョン・ウェインとのデート場面も美しい。でも、ちゃんとリアル志向の照明設計になっているから感心。

魚雷艇の活躍が実物による撮影とミニチュア撮影を交えて描かれる。日本軍の艦艇は遠景で描かれるが、水柱の大きさや、爆発の火花や爆炎の大きさから、かなり巨大なミニチュアが使用されているに違いない。実際、かなりよくできていて、かなりリアル。

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