Pacific Rim: Uprising
2018 スコープサイズ 111分
Tジョイ京都
■なぜか微妙な感想しか聞かないので躊躇していた映画だが、映画館で観て正解。お話はいろいろと雑なのだが、いやあ楽しいなあ。
■一番のお楽しみは、白昼堂々の怪獣プロレスが観られることで、前作はデル・トロのアート志向で、ナイトシーンが中心だったのだが、本作は、兎に角明るいところで、見やすいカッティングで巨大ロボと怪獣のアクションをたっぷり描く。この快楽に尽きる。しかも、CG製作が前作のILMからダブル・ネガティブに変更されていて、これも好感度アップに貢献している。ILMのCGキャラはいかにもアメリカの漫画映画的な過剰な演技が付けられることが多く辟易するのだが、ダブル・ネガティブのCGキャラの演技はそうした癖がなく素直で見やすい。カット割りも細かすぎず、各カットの視点の移動もスムーズなので、非常に見やすく、アクションの流れが把握しやすい親切設計。
■クライマックスの東京から富士山の件はもっと丁寧にというか、ちゃんと東京でロケして欲しいところだし、謎の中国企業のトップが大活躍という筋立てもおとなの事情がみえみえで苦しいのだが、小型イエーガーのスクラッパーの大活躍が楽しいので、許しちゃうよ。怪獣博士二人組の大活躍も本作のお楽しみで、前作ではぱっとしなかった二人が今回は主役を食う勢い。
■その反動で割を食ったのが森マコで、あっさりと退場。でも、シドニーのシーンはなかなか楽しいので、これも許すなあ。全体的に、東映の戦隊シリーズくらいの緩さで観ると、十分楽しめる。でも、クライマックスの東京シーンは佛田洋に撮らせるとサイコーだったんだがなあ。