OUIJA: ORIGIN OF EVIL
2016 ヴィスタサイズ 99分
DVD
■『呪い襲い殺す』の続編で前日譚にあたるシリーズ第2作。ヒットすれば第3作もありそうな展開だなあ。脚本、監督に俊英マイク・フラナガンを招聘した本作は、1967年を舞台として、60〜80年代のホラー映画のルックを再現しようとするマニアックな作りになっている。お話の方も、いかにも昔の怪奇映画的な因縁話が終盤に明らかになり、一体どこまで大風呂敷を広げるのかと心配になるほど。
■デジタル映画なのにわざわざパンチマークを付加したり、オーバーラップやズームを使用して、昔風のルックにこだわる。しかし、そうしたルック上のギミックよりも、大時代な怪奇映画的趣向や、それを生かす稚気溢れる演出の上手さに、マイク・フラナガンの真骨頂をみる。正直なところ、母親役はもっと上手い女優が必要だと思うが、悪霊と繋がってしまう次女は『オキュラス』でも上手かったアナリース・バッソを起用して、さすがに力演。ブラムハウス製作らしくグロは無く、ショック演出でメリハリをつける手法だが、そこはマイク・フラナガン、そつがない。ただ、それ以上に好き好んで盛ってくる趣向がいかにも60年代怪奇映画趣味で、ほんとにかゆいところに手が届く怪奇映画なのだ。
■ドラマの見せかたとしては『オキュラス』などのほうが上出来だが、本作も特にアナリース・バッソの絡んだシーンに秀逸な演出が多い。いじめっ子をパチンコでやっつけた場面のケガした少年に駆け付ける群衆を背景にアナリースの悪意溢れる表情を捉えたカットや、母親も姉も気が付いていないところで何気なく悪霊の風貌に変貌している場面の怖さなど、編集も自分でやっているおかげで、演出家のやりたいことがよく分かる。前作『呪い襲い殺す』は監督と編集が別々にいい仕事をしたといった印象だが、本作は演出意図が整然と一貫している。
■しかし、本作などを観ると、スチュアート・ゴードンの怪奇映画を想い出すなあ。マイク・フラナガンって、ほんと良い趣味しているなあ。