■そもそも、佛田洋と特撮研究所がなぜ『千年の恋 ひかる源氏物語』に参加することになったのか？そこには『長崎ぶらぶら節』という前史があります。あの映画で吉永小百合と直接の接点ができてしまったので、『千年の恋 ひかる源氏物語』に声がかかったんだそうです。『長崎ぶらぶら節』での二人の出逢い（？）については、これも面白いエピソードなので、後日記事を投下しましょう。
■でも東映本社的には『千年の恋 ひかる源氏物語』はソフトポルノにしたい意向があって、佛田監督も
東映の会議室で久しぶりに偉い人の口から”ポルノ”って聞いたから、それはよく覚えてます。
と述べています。
■一方で吉永小百合としては『ダンサー・イン・ザ・ダーク』みたいにしたいという思いがあったので、結果的には御存知の通りかなり奇妙な映画になりましたが、個人的には嫌いじゃないです。むしろ、美術は西岡善信でこの時代には珍しい大作だし、特撮研究所総動員で、かなり愉しかった。
■でも、天海祐希と南野陽子の絡みのシーンで、「映倫がうるさいから手前に簾を合成して」というオーダーがあり、事後的に簾を別撮りして、モニターを見ながら苦労して素材撮影して、モザイク職人みたいに合成カットを仕上げたそうです！全然気づかなかったから、秀逸ですよね！
