THE ANDROMEDA STRAIN
1971 スコープサイズ 130分
DVD
■何故か封切り当時から我が家にも原作本が転がっていたものの、あまりにハードで挫折し、その後テレビでも放映されたはずだが、今日の今日まできちんと観る機会のなかった地味ーなSFサスペンス映画。
■期待に違わぬ地味さと70年代テイスト満喫の未来感覚、そして貫徹される男目線と、おなか一杯の力作だ。何故かDVDのパッケージは低予算のB級SF映画かテレビドラマといった雰囲気だが、騙されてはいけない、ロバート・ワイズの真面目でありながら、娯楽味も忘れない堂々たる”映画”である。
■前半は宇宙から帰還した人工衛星の影響でひとつの村が全滅する事件をサスペンス豊かに探査してみせ、中盤は地下の研究施設に科学者たちが招集されて、様々な検査や滅菌処理を経て最深度の研究レベルに達するまでを丁寧に描き、事態の手の負えなさを際立たせる。とにかく、そこには恋愛沙汰や家族の修復などといったぬるいサブテーマは入る余地も無い。ゴリゴリのハードSF映画である。村で生き残った赤ん坊と老人の、サバイバルの理由を探るあたりもさすがに非凡な解決で、これは原作のマイケル・クライトンの腕の見せ所。
■研究施設の全容をワイヤーフレーム状のCG風映像で立体的に見せるところが、この当時は当然CGではなく、ダグラス・トランブルが特殊撮影で制作したもの。素材を投影したものを光学合成して重ねたものらしい、他にも電子顕微鏡で見た菌の増殖の様子なども特撮で映像化されたもので、意外にダグラス・トランブルの活躍の場は多い。作画合成は名人アルバート・ホイットロック。