NHKドラマ10『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(略称:かぞかぞ)追跡中(#6まで)

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■NHKBS4Kで2023年5月から放送されたドラマで、地上波放送版は5分カットされた短縮版だという。河合優実はその後『不適切にもほどがある!』でブレイクしました。TBSスタッフはこれを観て起用したのかな?まあ、これ観ると、誰しも注目するよね。と思ったら、実際そうらしい。

■実際、このドラマ非常に良くて、河合優実や福井桃子のナチュラルに挙動不審な演技は、アップではなく、フルショットで映えるし、それは映画的ともいえる。原作は原作者の実体験なのでリアルなのは当然、演出の手つきも実にリアルなんだけど、大九明子独特の漫画的な効果音が異化効果(ブレヒトじゃないよ)を醸し出して、緩いコメディになっているところが、実に珍味で、ユニーク。主人公のキャラクターが、なかなか一筋縄ではいかない、複層的な女子、つまりリアルな女子になっているところが、やはり美点。人間はステロタイプな「キャラ」じゃないからね。

■主人公が大学生になって、マルチ(福井桃子)が制服じゃなくなったのが残念(?)だけど、相変わらず挙動不審で楽しい。#3の七実のアルバイトシーンはケッサクなので、このくだりだけ何度も繰り返して観てますよ。河合優実は『不適切にもほどがある!』で「金くり!」という名言(名演?)を残したが、こちらでもおねだり上手は冴えていて、媚び方が絶品の名人芸(?)。

■#4のベンチャー企業での働きっぷりも珍妙で、大九明子のコメディ演出が飽和気味。効果音も、マシマシで、重なってます。ゴリ押しでベンチャー企業の仲間になる七実の行動力もすごいけど、母親(坂井真紀)までアドバイザーとして参画するとは、事実とは言え、凄いバイタリティだなあ。見習いたいです。勉強になります!

■#5、#6で七実の職場でのしくじりと、思わぬ形で作家として認められる経緯を描くけど、起伏が激しいので、単純に面白いよね。このあたりで、なくなった父のエピソードが浮き上がり、ドラマとしての深みが増してくるし、コメディ演出も相変わらず冴えわたる。七実の職場での振る舞いは、さすがにコメディとして誇張しすぎでバランスを欠いている感じはしたけどね。いくらなんでも。

■#6のダウン症の弟の等身大の描き方に、このところのNHKの民放ドラマに対するプライオリティをひしひしと感じる。非常に誠実な取り組みだし、先駆的なアプローチだと思う。そして、違和感もなく、浮きもしないで、しっかり成功しているから、演出の大九明子は、女を上げたよね。ジェットコースターの場面もなあ、思い出すと笑けてくる傑作シーン(毎回こんなレベルで笑わせるから恐ろしい)。

参考

さいきんのNHKドラマは、ちょっと異常な豊作状態。彼ら(ドラマ班)に肥料をやったのはだれだ?ちなみに、脚本はみんな女性が書いてます。男も、頑張れ!頑張ろうよ!
maricozy.hatenablog.jp
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大九明子は、なかなかいい仕事をしてたのだ。最近まで知らなかった。
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