■名古屋から富山に引っ越したばかりのおじいさん(笠智衆)が、名古屋の病院に残してきた妻に会いたくて、お金もないのに一人で電車に乗るけど、特急をつまみ出されて、途中駅下車して旅館に泊まると、たまたまそのこのおばあちゃんが死んだところで、宿の主人(宇野重吉)の述懐を聞くことに。。。
■実際、昭和57年のドラマなので、高齢者の捉え方が大幅に異なる。いま描くと全く道具立てが違ってくるだろう。なにしろ40年前(!)の話なので、介護問題もないし、認知症問題すら、まだ前景化していない。作劇としても、そんなに傑作だろうかと感じたな。これくらいなら、当時でも書く人はいただろうと思う。ご都合主義も目立つしなあ。
■佐藤オリエなんて単純な嫁役だけど、たしかに佐藤オリエのイメージってこんな感じだったよなあ。こんな感じの小綺麗なおばさん。『若者たち』の頃は溌剌としたアイドルだったことを知るのは、もっと後になってからのことだけど。長山藍子も久しぶりにみたけど、まあ上手いよね。技巧的に。笠智衆とか宇野重吉とか、もう技巧を超えて存在感一発だけど、長山藍子はテレビの撮り方にも合わせて的確に表情を作ってくるから凄い。