■すでに1990年に特撮監督に就任してから33年が経過してますから、矢島信男のキャリアを超えちゃってます。矢島信男が松竹から東映に移籍してから特撮監督的なポジションを開始したと考えても、1990年の特撮監督退任までで、せいぜい30年間ですからね。高野宏一だって、佐川和夫だって、大体30年くらいですよ。しかも、作品的にはかなり断続的にですよ。佛田洋のように毎年撮っていたわけではないし、そんな人いないんですよ。前代未聞で、ギネスに載るんじゃないか?
■矢島信男が60歳過ぎた頃から本社東映の意向もあり世代交代を図るので、佛田洋もまさにそんなギリギリの年代ですよね。佛田洋もいつの間にか矢島信男の世代交代の年齢に達しているわけです。会社的にもいろいろ検討中のこととお察しします。
■同級生の三池敏夫はすでに特撮研究所を離れているし、映画業界では先輩の尾上克郎はたぶん東映に付き合うつもりはないでしょうね。すでに各社で活躍中だし独立して自分の事務所構えるくらいが自然な感じがします。あるいは庵野秀明のカラーに所属するとか。
■円谷プロ系ではキャメラマンが監督に昇進するパターンだけど、東映はそんな伝統もないし、やはり氷河期世代がズボッと人材が抜けているんでしょうか。中小企業あるあるですね、後継者問題。10年前には、秘蔵っ子の小串遼太郎が定着するのかと思ったけど、そうでもないの?
■たぶんミニチュア特撮機能は東映ツークン研究所に吸収合併して特撮研究所は発展的解消という気はするのだけど、嫌だなあ(?)。あるいは合併して「ツークン特撮研究所」とでも改称するのかな。ひょっとして、尾上克郎や樋口真嗣が仲介して、庵野秀明のカラーにくっ付くという選択肢もあるのかな?
■でも、佛田洋には円谷プロでウルトラを撮ったり、東宝でゴジラを撮ったりして欲しかったんだけどなあ。尾上克郎はゴジラもウルトラマンも参加しているけど、佛田洋はそこは妙に貞操観念が硬いんですよ(というか、社長だから?)。特にゴジラはケレンの強い豪快なミニチュア特撮全開で、是非撮ってほしかったけどなあ。見果てぬ夢ですね。まあ、御本人は怪獣よりメカかもしれませんがね。
■この本、非常に読みどころが多くて、重要な証言やフレーズが多いので、何回かに分けて紹介しましょうか。でも、人生100年時代、まだまだ元気そうな佛田洋は、死ぬまで現役続行の気構えかもね!