人食い鏡の怪!ボリス・カーロフのスリラー #16「THE HUNGRY GLASS」


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ボリス・カーロフがホストを務めるドラマシリーズ「スリラー」は、1960年〜1962年にかけて2シーズン(全67話)が放送されたようです。最初は犯罪スリラーで、徐々に怪奇路線にかじを切ったようです。ホストがボリス・カーロフなので当然ですね。でもあまり全貌を知ることができる資料が見当たらないので不明点が多いです。日本でも放送されたらしいけど。

■「世にも不思議な物語」を作り上げたジョン・ニューランドが監督した「Pigeons From Hell」(ロバート・E・ハワードの短編「鳩は地獄から来る」が原作)というエピソードはその筋では有名作らしい。今回は、たまたま古風な怪談を試しに観てみたというわけ。さて、いかがなものでしょう。

■#16「THE HUNGRY GLASS」 原作:ロバート・ブロック、脚本&監督:ダグラス・ヘイズ、撮影:ライオネル・リンドン

■オーソドックスな幽霊屋敷もので、何しろ原作がロバート・ブロックだから暗くて陰気なお話で、悲劇で終わる。古い屋敷を買ったら、例によって因縁つき物件で、家には全く鏡がない。転居早々に幽霊を見たり、写真にいないはずの少女が映ったり。聞けばその昔、この屋敷の主人の妻は異常なナルシシズムに取り憑かれ、鏡だらけの部屋で老いさらばえた因縁があり、最近も近所で少女が行方不明になったとか。その時、隠し部屋の鏡の間から妻の悲鳴が。。。

■鏡だらけの部屋で自分の着飾った姿に見惚れる若い娘が映し出され、来訪者に屋敷のドアを開けるとその顔は老婆だった、という冒頭部分が秀逸な演出なので大方満足。その後の鏡だらけの隠し部屋のビジュアルも十分に狂っているので、あまり捻りはないけど、それだけで満足できる実にオーソドックスな怪談。主演はウィリアム・シャトナーでした。ちゃんと幽霊が出るし、簡単なエフェクトだけど白くぼんやりした人影(合成)は結構効果的。

■調べた限り、ロバート・ブロックの原作短編は和訳されていないようだ。


参考

maricozy.hatenablog.jp
以下のDVDボックスは、シリーズ初期の10本しか収録されていません。最初期は純然たるスリラーで、徐々にホラーに移行していったようです。

en.wikipedia.org
athrilleraday.blogspot.com
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp

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