NHK BS2で4月から放映中のヒッチコック劇場はなぜか権利上のトラブル発生で、オリジナルのモノクロ版の放映が打ち切られ、代わりにオリジナルをリメイクした新・ヒッチコック劇場の放映が始まった。何やってんだNHK?
「錯乱の白昼夢(REVENGE)」は、オリジナル版ではヒチコック自身が演出したエピソードで、性的欲求不満が昂じて精神的に不安定な主婦が暴漢に襲われ、釈放後に旦那にあの男が犯人よと指差すと、逆上した旦那はその男を殺してしまい・・・という、皮肉なオチが効いた一編で水準作。オリジナル版ではヒロインの性的妄想の部分は、これほど露骨ではあるまい。
「殺意の放課後(THE GLOATING PLACE)」はロバート・ブロックの有名短編「ほくそえむ場所」のドラマ化で、オリジナル版*1も先日のヒッチコック劇場(モノクロ版)で放映されており、なかなかの佳作だったのだが、本作はオリジナルを大幅に改編して、スラッシャー映画として再構成しており、それなりに巧く出来ているが、犯人を明確に明かしてしまうこともあり、オリジナル版のラストの衝撃と象徴性には及ばず、B級スラッシャー映画といった印象だ。マスコミに対する皮肉が効いていて、頭を使った脚本であることはわかるのだが・・・
参考
maricozy.hatenablog.jp
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*1:タイトルは「悪い花」。梗概は”学校で注目を浴びるため、男に襲われたとうそをついたスーザン。新聞に大きく報道され、皆の話題の中心となるが、新しい事件に話題を取って代わられたスーザンは再び注目を浴びようと友人を殺害してしまう。”というもの。脚本はロバート・ブロック本人が担当し、原作の心理表現を割愛して視覚的表現に特化したアレンジが興味深い。演出は平凡だが、特にラストシーンの秀逸さは語り草。