ジュラシック・ワールド 炎の王国 ★★★☆

Jurassic World: Fallen Kingdom
2018 スコープサイズ 128分
イオンシネマ京都桂川(SC12)

ジュラシック・ワールド/炎の王国 (小学館文庫)■一粒で二度おいしい映画。ジュラシック・ワールドの崩壊スペクタクルとダークファンタジーを味わえる異色作。全く予備知識なしで観たので、正直ぎょっとした。タイトルの持つ真の意味がラストになって明らかになるというのも実にしゃれた趣向で、よく考えたと感心した。
■バヨナ監督はデル・トロの影響を受けていて、ダークファンタジー嗜好があるらしい。評判の高い『怪物はささやく』は未見だが、確かに後半の演出タッチはホラーであり、新恐竜の造形や演出は、童話に登場する悪い狼みたいなタッチで見せている。そこでこだわるのが光と影の演出で、恐竜の見せ方も、光に一瞬姿が浮かび上がったり、身体の一部だけが見えたり、といったこだわりのビジュアルは、確かにデル・トロ譲りのセンスだろう。新恐竜の”最期”なども完全に怪奇映画志向であり、まあお見事というしかない。
■後半は舞台がシュリンクするのだが、そこから一気に終盤に大風呂敷を広げる展開が見事で、ボタンを押すのかどうか、そしてそれは誰なのかといった選択を巡る一瞬のやりとりも感動的。前作はラプターと一緒に狩りを行ったり、Tレックスの登場をこれ以上ない鮮やかなケレンで描いたり、突出した名場面がいくつもあったのだが、本作はまったく方向性を変えてきた。しかし、よくできた脚本だと思うよ。
■おかげで主演二人の関係は前作比でありきたりなものになったが、クリス・プラットは恐竜と身振りで交流するだけでなく、麻酔で麻痺した身体で溶岩から逃げるというアクションを凄い体技で演じていて、大爆笑の名シーンなのだが、あまり話題になっていないのかな?おかしいなあ。
ジェームズ・クロムウェルジェラルディン・チャップリンといった名優を贅沢に使ったのもさすがは大作。正直、ジェラルディン・チャップリンはもっと活躍するのかと思ったが。