基本情報
Ghostbusters ★★★
2016 スコープサイズ 116分 @アマプラ
感想
■ポール・フェイグ監督によるリブート企画で、さすがにコメディ映画としては面白いのだが、CGの大量動員によるゴーストの描写とか巨大◯◯とか、あまり怪異そのものにはこだわりがないようだし、そもそも派手なビジュアルも見飽きたのでそこは何とも心が動かない。オリジナルの『ゴーストバスターズ』は1984年の日本公開だからリチャード・エドランドのSFXだけで、なんだかありがたい気がしたよね。
■主人公を女性に置き換えただけでなく、クリステン・ウィグとメリッサ・マッカーシーの腐れ縁(?)転じて友情の再確認のお話になっているのは、当時のアメリカ映画の流行に沿ったものだろう。同じ監督の『デンジャラス・バディ』もちょっとそこは商売臭が鼻についたところ。「ブロマンス」なる造語も大概だけど、敢えて言えば「ウーマンス」ですか?
■一流大学に任期なしのポストを獲得寸前なのに昔書いたオカルト本の存在が発覚して、自分の進むべきは公式の真面目な科学なのか、霊的感受性に基づいたオカルト分野なのかを問い直すというお話になっていて、袂を分かった旧友と再会して、封印したはずのオカルト体質が徐々に蘇ってくるクリステン・ウィグのあたりの作劇が実に痛快なので、ドラマとしてはかなり面白い。クリステン・ウィグという名前をはじめて認識したけど、良い女優だね。
■社会性を獲得するために取り繕って積み上げてきた(偽の)仮面をバッサリ脱ぎ捨てて、素の自分に戻る、いや強引に過去の霊的体験に引き戻されて、本当の自分の居場所は一流大学の研究室じゃなくてココ(中華料理屋の二階!)だったと納得する中年女性の自己確認のお話として筋は通っているのだ。このあたりのエピソードの粒立ちの良さは笑いが弾けて気持ちいいし、なかなか上出来。(個人的には笑い泣きだよ!)
■ただ、オカルト活劇としての設定はありきたりで正直つまらないし、肝心のゴーストの表現に愛が感じられない。まあ、言ってしまえばオリジナルの『ゴーストバスターズ』にあったかどうかも定かでないけど。特に今回は新調した大型液晶テレビで観たんだけど、映像のルックがテカテカで、本当にビデオ撮りとかゲーム映像に見えてしまうので困る。ちゃんと映画館で観れば、もっとフィルムルックに近くてグラデーションや自然な奥行き感が出ると思うのだが。
参考
maricozy.hatenablog.jp
クリステン・ウィグって『オデッセイ』に出てたんだね。
maricozy.hatenablog.jp
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あっというまに再リブートされました。
maricozy.hatenablog.jp
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