ラインシリーズ5作目は、新人監督!『火線地帯』

火線地帯 [DVD]

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  • 発売日: 2001/05/25
  • メディア: DVD
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  • 発売日: 2008/03/21
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基本情報

火線地帯 ★★☆
1961 スコープサイズ 79分 @アマゾンプライム
脚本:石井輝男、武部弘道 撮影:須藤登 照明:関川次郎 美術:小汲明 音楽:真鍋理一郎 監督:武部弘道

感想

■なんと武部弘道という新人の監督デビュー作で、ラインシリーズの最終作(5作目)ですね。新東宝の崩壊寸前なので、どさくさ紛れに監督デビューさせてしまえという、親心でしょうか。
■お話はすでに忘れかけてますが、密輸拳銃を横取りされた組組織が真犯人をあげようとするお話にフリーのチンピラ二人が絡み、さらに海外脱出を目論む黒ずくめの男が拳銃の強奪を計画して介入するというもの、だったかな?
吉田輝雄がチンピラ役で、謎の黒ずくめの男が天知茂。この二人が徐々にバディとなっていくのが本作の見所で、互いに軽口をききあいながら戯れている様は、萌え萌え。この頃のガリガリに痩せている天知茂は、陰鬱な暗い役もいいけど、軽快で軽妙な役柄が似合ってほんとに良いよね。
■一方、組のボスが何故か田崎潤で、その情婦が三原葉子三原葉子吉田輝雄に惚れて、組から抜けようとして組長を罠にはめるが、というお話で、吉田輝雄は三原と天知の二人からラブコールを送られてモテモテ状態。さらに組長を裏切る曲者が成瀬昌彦で、大きな役で後半大活躍。男優陣の顔ぶれだけでお腹いっぱいごちそうさまですね。愉しい。
■低予算映画なのでモノクロ撮影だが、最近のリマスター技術は凄いことになっているので、高解像度のピカピカの画質で楽しめる。新東宝の映画なんて、映画館で観ると傷だらけでボロボロのプリントしかなかったものだが、ネガがしっかり残っていたようで、すっかり生まれ変わった。ことによると、封切り時のスクリーンで観るよりも高画質に変貌しているのではないかという疑惑も生まれる。犯罪ノワールなので、室内シーンなどは陰影の強いコントラストをきかせたルックだが、細部も潰れないし、綺麗に輪郭を浮かび上がらせる照明のタッチも妙に丁寧に見える。ただ、岬の丘のナイトシーンは、疑似夜景が十分に表現されておらず、このあたりは相変わらずリマスターの弱点だ。リマスターでは疑似夜景のタッチに失敗することが多く、多くは明るすぎてデイシーンにしか見えない。このあたり、大昔からの課題だが、いまだに解消されないのは謎だ。
■武部弘道という監督、石井輝男ほど華麗なテクニシャンではないが、ジャズを強調した音楽演出や、軽快なロケ撮影の妙味もあって、なかかなかの快作。
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