■「日本のシンガポール化」という見立ては、非常に明快で、筋が通ると感じる。日本の「北朝鮮化」も同様に、ありうる、というか右派は明言しないけど、明らかに内心そう思っているだろう。そこをズバリと言い当てるところが痛快。
■民主主義を徐々に捨てて、独裁体制に移行する。国際社会での世間体があるから、表向きは民主主義を掲げるけど、実質的には限りなく独裁体制に接近する。それが一番金儲けに都合がいい。誰に媚を売ればいいかが単純明快だから。そうして日本は金儲けで生きていくのだ。軍事産業なんてまさにうってつけだ。死の商人、上等!そもそも、戦後日本は朝鮮戦争で復興したんじゃないか。貧乏人はキレイ事言ってたら生きていかれないのだ。目先の金が大事なのだ。というのが、現在日本の共通認識。つまり、貧すれば鈍する。
■日本人の無意識下に存在する破滅志向、自滅志向の言及も非常に腑に落ちる話で、そう感じるのは自分だけじゃなかったのかと、安心した次第。結構、歴史の各所でそんな日本人の無意識下の心性が発露していると思うなあ。専門家はどう分析しているのか?岸田秀とか何か言ってないか?…と思ったら、内田樹は岸田秀に影響を受けたそうです。似てると思ったわ!
■ちなみに、本書でも触れられているけど、ゴジラが度々上陸するのも、日本人の破滅志向の具現というのも納得。そこを突き詰めると、『日本沈没』になって、そもそも日本自体が物理的に消滅するとき、日本人は何をどう感じるのかを想像した。あー、全部根こそぎ滅んでしまったなあ。えらく、すっきりしたもんだなあ。国破れても山河があったのに、これからはそれもないんだなあ。ホントに裸一貫からの出直しだ。なんか、わくわくしてきたぞ!というマゾ的な話?
■紹介されているように、オルテガが「敵と共に生きる、反対者と共に統治する」(「大衆の反逆」)といった民主制の本質は、現在の独裁制選好の日本の世論のなかでは、完全に忘れ去られつつある。全体主義、怖い。でも、その角の向こうまで、来てる!





