感想
Updated 2021.03.25
■ブルーカラーの街、川崎のトラックの運転手は自分のトラックを買うことを夢見るが、過重労働のせいで事故を起こして手首を骨折する。自暴自棄になる彼に、恋人はわたしに何ができるの?と問いかける。。。
■浜田光夫が主演で実に気持ちよさそうに好演。松原智恵子も、舐めてたけど、なかなかの魅力だ。そして、舟木一夫だ。浜田の親友で餃子づくりの名人、浜田と松原の恋を相談相手として援助してやる気持ちのいい兄貴分。
■浜田光夫が会社を首になりそうになり、餞別をどうしようかと相談する会社の同僚たちに、「帰れ、お前らに食わせる餃子はねえ!餞別のことしか考えることないのか。お前ら、仲間なんだろ!」と意見する場面が本作のクライマックスで、これ以上ないというくらいに役得な脇役だ。実に、泣かせる名場面なのだ。本作での舟木はキアヌ・リーブス並に底抜けにいい人なのだ。
■さすがに脚本を中島丈博が書いているだけあって、実にしっかりした脚本で、昭和39年の労働問題を下敷きに、助け合って生きていくことの大切さを衒いなく訴えかける秀作だ。トラック運転手の仲間には内藤武敏、藤竜也(新人)がおり、内藤は在日の役で、故郷の韓国に還ることを夢見るおじさんだ。川崎コンビナートで燃えつづける煙突の炎が象徴的に使われる。まだ公害問題が表面化する前の長閑な時代なのだ。
■撮影は名手の峰重義で、松原智恵子のアップに移動車で急速接近するドリー・インのカットがいくつかあって、ものすごい迫力なので、ちょっとびっくりする。撮られる方もきっと怖かっただろうな。巨大なキャメラが、ものすごいスピードで顔面すれすれまで直進してくるのだ!
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参考
約60年前、舟木一夫は、みんなの兄貴だったのだ!
maricozy.hatenablog.jp
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