嫌だ!チャッキーの顔がオッサン!『チャイルド・プレイ』

基本情報

Child's Play ★★☆
2019 スコープサイズ 90分 @DVD

感想

■昔懐かしい『チャイルド・プレイ』のリメイク、というかリブート作品ですね。昔のアレはブードゥーの呪いで暴れていたのですが、今度はAI搭載の人形が製造工場で働くベトナム人労働者の搾取への怨念を背負って大暴れです。時代を掴んだ設定は悪くないですが、ロマンが無いなあ。世知辛い。

■しかも今度のチャッキーは可愛さ要素が一切ないですからね。昔のアレはそれなりに愛嬌があったわけですが、今度はチャッキーというよりも、サンダーバードに近いですからね。顔がオッサンなんですね。確実に不気味ですが、そうなると稚気が減退してゆくわけです。

■ご主人様たる孤独な少年に仇する周りの人間どもを片っ端から血祭りにあげるチャッキー。そんな事件を契機になぜか友達ができた主人公に対して、僕を捨てるなんて!とますます逆恨みするチャッキー。監督は敢えて80~90年代のジャンル映画を参照しながら子供たちの冒険物語として構築してますね。『グレムリン』とか『グーニーズ』とかの路線ですね。それはそれで悪くない。そうそう、まるまる『ダイ・ハード』もありましたよね。

■けど、主人公の男の子が友達と繋がっていくあたりのドラマの胆の部分の書き込みが十分でなく、なんだかご都合主義的に感じられるのは勿体ないな。偽りの友達(=チャッキー)ではなく、本当の友達へと移行して成長してゆく主人公を描く青春映画でもあるので、もう少しそこには尺を回しても良かったのでは。正直スーパーでのドタバタ場面なんてあまり意味がない。

トム・ホランドが土俗的な呪いをベースに古典的な人形怪談をスラッシャー映画として甦らせたオリジナルの方がやっぱり好きですね。電池が入ってないことが暴露されて「バレたか~」と開き直るシーンは最高だったもんなあ。トム・ホランド、あの頃冴えてたよなあ。

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