期待しすぎず気楽に観てね『紅の拳銃』

基本情報

紅の拳銃 ★★☆
1961 スコープサイズ 86分 @DVD
原作:田村泰次郎 脚本:松浦健郎 撮影:姫田真佐久 照明:岩木保夫 
美術:木村威夫 音楽:小杉太一郎 監督:牛原陽一

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感想

■日活アクション映画史上では欠かせない名作(?)ですが、実際のところかなりの低予算映画で、美術セットなど実に小さいて貧弱だし、同時期の裕次郎の映画なんかに比べると明らかに小品。赤木圭一郎の独特の若さの憂いが魅力的でついつい観てしまうけど、活劇映画としては中途半端な印象だ。
■香港ルートの密輸チャンネルを牛耳ろうとする社長が神戸の三国人組織を壊滅するために足のつかないようにフリーの殺し屋の養成を依頼するというお話で、軍隊時代の部下である垂水悟郎赤木圭一郎をスカウトして殺し屋修行をさせる前半部分がマニアックで傑出しているのは確かだが、舞台が神戸に移った後半はかなり類型的。
■ただ、芦田伸介が腹黒い社長で、三国人グループに小沢昭一、草薙幸二郎、藤村有弘がいて、死んだはずの香港ボスが小澤栄太郎という豪華すぎる配役は見ごたえがある。浜村純なんてラストに1、2カット登場するだけですよ。小沢昭一はやっぱり妙に上手いし、藤村有弘はお馴染みの中国人コントでサービス満点。小沢昭一の弟役の草薙幸二郎の気持ち悪さは出色で、この怪演は必見。小沢栄太郎は中国人役なのにまったくカタコト日本語をしゃべらないのが逆に面白い。
小沢昭一の情婦がお馴染みの白木マリで、このひとやくざの情婦役ばっかり専門にやってる人だけど、なかなか良い雰囲気なのだ。リアルな夜の女感があって、頽廃美がある。東宝の『美女と液体人間』だと白川由美が同じような役を演じたが、リアリティでは白木マリでしょうな。
赤木圭一郎はバタ臭さと若さに似合わぬ哀愁があってホントに好きなんだけど、やっぱり『夜霧が俺を呼んでいる』が最高なのかなあ。