老巨匠による、現代のお伽噺?『大出世物語』

基本情報

大出世物語 ★★☆
1961 スコープサイズ 65分 
原作:源氏鶏太 脚本:三木克巳 撮影:横山実 照明:三尾三郎 美術:横尾嘉良 音楽:斉藤高順 監督:阿部豊

感想

■印刷会社のクズを貰い受けて生活する六さんだが、娘は印刷会社の社長の息子と身分違いの恋仲らしい。だが、印刷会社の担当者が定年で代わると、今後は出入り禁止と言い出し。。。
■いわゆる二本立て興行の添え物映画、SP映画で、主演は小沢昭一という珍品。初主演作品らしい。しかも監督がなぜか名匠、阿部豊というのも謎。どんな経緯があったのか。それにしても驚くのは、終盤の信じがたい展開で、まあ原作通りだから仕方ないのということだろうが、説得力は皆無な夢物語。当時ですら、そんなアホなと全観客がスクリーンに突っ込んだことだろう。
渡辺美佐子が訪問販売(行商?)の会社の社長として登場して、がめついおばさんパワーを見せる。かなりの老け役だけど、まだ若いと思うけどなあ。小沢昭一にしたって、随分な老け役だし。
吉永小百合浜田光夫(光曠)の関係が逆転するところが作劇の眼目で、当然同じセリフが逆の立場から繰り返されることになる。喜劇的な脚本のテクニックはセオリー通り効いているが、正直これで終わり?という感じ。基本的に喜劇だけど、阿部豊の演出が妙にのんびりしているし、メリハリが乏しいので、笑いが弾けないし、だから終盤のアホな展開も弾まないという不思議な映画。
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