こわくなんかないんだよ、キングコングは友達さ!今度は漫画映画だ!『ゴジラvsコング』

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基本情報

Godzilla vs. Kong ★★★
2021 スコープサイズ 113分 @T-JOY京都(SC8)

感想

新型コロナウイルスパンデミック以降、さすがに怖くて映画館には行ってなかったのだが、約2年ぶりに映画館にでかけてみた。前に映画館で観たのは、『クロール 凶暴領域』だった。緊急事態宣言が出たところなので本当は逼塞しているべきだが、さすがに余命も少なくなってきたので、観たいものは生きているうちに観ておかないと悔いも残る。あさイチの回なので当然ガラガラで、三密は無かったと思う。
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■さて。突如出現したゴジラはAPEX社を襲撃する。一方、髑髏島から保護されたコングは地球中心部の大空洞にひそむ新エネルギー探査のために南極へ輸送されようとしていた。だが洋上のコング輸送船団にゴジラが迫る。。。

■吹替版での鑑賞だけど、特に違和感はなかったなあ。噂に聞いていたとおりドラマは無いに等しく、CGバトルのオンパレード。しかもゴジラは客演レベルの存在感で、主役はコングだ。

■『キングコング対ゴジラ』は両者のエピソードや物理的な大移動が、クロスカット編集でサスペンス豊かに描かれているところがさすがに王道の作劇なんだけど、本作はそういう映画的なサスペンスを盛った見せ方はなくて、とにかくとんとん拍子で調子よくどんどんお話が進む。アメリカから香港まで新型リニアモーターであっという間に到着するし、地球の中心部から香港まで気合でひとっ飛びなのだから、さすがにビックリする。今回は完全に漫画映画なのだ。最初の『GODZILLA』はちゃんと怪獣映画してたよなあ、と遠い目になる。

ゴジラ映画としては全く食い足りない代物で、ゴジラ映画を観た満足感はないけれど、コング映画を観た良い気分は味わえるのが本作。ドラマ部分を大幅にカットしてリテイクしたらしいが、多分ゴジラ絡みのシーンを大幅にカットし、コング中心に仕立て直したのだろう。『キングコング 髑髏島の巨神』はコング感が薄かったけど、本作はむかしテレビアニメで観た子供の味方、キングコングそのもの。少女と手話で交信する姿には、単純に泣かされる。ゴジラ映画としては雑で味気ないけど、コングのキャラクターはちゃんと描けているから悪い気はしないのだ。

■香港の最終決戦は「スペクトルマン」とか「ウルトラマンA」の時代を彷彿させる怪獣広場が出現し、撮り方もまるで特撮テレビ映画のキャメラアングル。噂通りに「メカなんとか」も登場するけど、なんでハリウッド版の「メカなんとか」は、みんなあんなに不格好なデザインなのか?単純にセンス悪いよ。ゴジラとコングの最終決着の展開も、お馴染みのアレだし、ホントにドラマ的には全く食い足りない。

■せっかく意気込んで渡米していた小栗旬も非常に雑な扱いで気の毒な限り。劇中で渡辺謙との関係も、何の説明もないからね。でもチャン・ツィーですら完全カットらしいから、シーンが残っただけでもマシかもしれない。

■それにしても、『GODZILLA』でシリアスな現代批判テーマで立ち上げたモンスターバースシリーズもここまで大味になると、完全に世界観が変わってしまった気がするなあ。大ヒットはしたようだし、まだ、続くの?

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