シビル・ウォー キャプテン・アメリカ ★★★

CAPTAIN AMERICA: CIVIL WAR
2016 スコープサイズ 148分
Tジョイ京都(SC1)

■アメコミ映画としては上出来の部類で、活劇映画としての骨組みがしっかりしている。ウェルメイドな脚本だし、演出にも淀みが無い。しかも、見せ場のアクションシーンをほぼ白昼に設定して、アクションのつながりの分かりやすさにも十分配慮しており、非常に親切な仕事ぶりだ。大変結構です。

■シビル・ウォーと題した大上段に振りかぶった活劇だが、政治的なテーマ性よりもアクションのカタルシスを重視したのは大正解だろう。テーマ性を突き詰めて、キャプテン・アメリカとアイアンマンの確執をねちねちと濃厚な作劇で突き詰めてゆく映画を観たいと思うのは私のような昭和世代特有のものだろうから、これで十分上出来なのは確か。終盤の、実はあの事件は・・・からの捻りは秀逸。

■ただ、ウィンター・ソルジャーの存在感の曖昧さが終始感情移入を妨げる気がするのは私だけか?『ウィンター・ソルジャー』でもドラマ性の面白さは類い稀なのに、長髪の汚らしいおっさんにしか見えないキャラクター・デザインの問題が払拭されていない。もう少しなんとかならんのか。

■冒頭にスカーレット・ヨハンソンの大アクションの見せ場があり、キャメラワーク、編集含めて壮絶なのだが、当然ほとんどはスタントウーマンの仕事。超絶なアクションはほとんど背後から撮られている。なんでも超絶美人なスタントウーマンらしい。

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