アベンジャーズ ★★★☆

THE AVENGERS
2012 ヴィスタサイズ 144分
Tジョイ京都(SC12)

■これまでのマーベル製作のアメコミ映画には正直全く感心しなかったのだが(ただし、X−MENは例外。これはちょっと別格)、これは良い。アイアンマンなんて、クライマックスはCGの垂れ流しで、しかも何故かナイトシーンに設定してしまうのでアクションのカタルシスが無かったのだが、さすがに今回の監督は観客が見たいものがよく分かっている。クライマックスはマンハッタン島で白昼堂々の大戦闘が繰り広げられる。

■しかも、飽き飽きしているCG垂れ流し演出ではなく、アクションにそれぞれのキャラに相応しい工夫が施され、特に今回は生身の俳優がアクションを演じている部分が多いから見応えがある。特にキャプテンアメリカとかブラック・ウィドーなど、そのままCGにはできない顔出しヒーローが胸のすく大活躍を見せてくれる。

■ハルクだけはさすがにCG部泣かせのキャラで、ILMが作っても漫画にしか見えないが、そこを逆に生かしたコメディ演出が絶妙で、大爆笑を誘う。ジョス・ウェドンはもっぱらテレビ映画の監督だが、ホントに行き届いた演出で感心する。さらに、大集合するヒーローたちの思惑が一致せず、ギクシャクする部分で、それぞれのキャラに突っ込みを入れておくことでごった煮の世界観のガス抜きをしたのも大成功。

■個人的にアイアンマンってどうもスカしてて気に入らないのだが、それと対照的に献身とか自己犠牲の精神を標榜する生真面目なオールドヒーローのキャプテンアメリカが非常に健気で、泣かせる。良い見せ場も多く、最終決戦でヒーロー連合に的確な戦闘指示を出す姿には何故か感動する。単独主演作では悪役が陳腐で損をしていたけど、今回の映画で秘めたポテンシャルを素直に表現できたようだ。

■さらに今回はスカーレット・ヨハンソンが期待に違わぬ大活躍を見せてくるからもうホクホク。あとは、驚愕の空中空母まで登場するから、もうサービス満点。メカ特撮をもっと見せてほしかったなあ。

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