スター・ウォーズ フォースの覚醒 ★★★☆

STAR WARS: THE FORCE AWAKENS
2016 スコープサイズ 136分
イオンシネマ京都桂川

ジョージ・ルーカスは前三部作で妙に政治的な世界観を志向しながら話術が下手なのでちっとも面白くなかったし、観客が見たいのはそんなドラマじゃないので、チグハグ感が否めなかったわけだが、今回の映画は原点に立ち返って、活劇メインでそこは清々しい。しかも、いまさらVFXで宇宙戦を見せても誰も感心しないので、キャラクターものというパッケージをメインに据えて、新キャラクターと旧キャラクターを共演させた。その意味で本作はVFX映画ではなく、活劇ドラマとなっている。クライマックスの見せ場もVFXではなく、チャンバラなのだ。
■主人公の一人であるフィンの登場から裏切りまでのエピソードの処理はさすがにジョージ・ルーカスではこうはいかないといった見事な話術で、脚本も演出も上出来。一気にフィンに感情移入させることに成功している。この点がこの映画の最大の美点だと思う。その後はおなじみのメンバーの同窓会状態で、特にスター・ウォーズファンではなくても、年寄りにはそれだけで感無量になってしまうのだが、本作が『帝国の逆襲』並に人生観照的なドラマになっているのは、やっぱりローレンス・カスダンの作風なんだろうなあ。人生は生々流転がその本質であるということが本作でもお話の骨格になっているが、『帝国の逆襲』ほどではないよなあ。色んな意味で。
■今回は敢えて3D版を見たのだが、リアルD方式はやはり画面が暗く、IMAXではないので、立体で観ると却って画面が小さく見えてしまうというのが残念なことであった。しかも精細感が減退するし、単純に見難いし、全くいいところ無しだった。アクションよりもドラマ主体の映画なので、3Dで観る意味はほとんど感じなかったな。400円も高く払う意味は全く無かった。

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