キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー ★★★

CAPTAIN AMERICA THE FIRST AVENGER
2011 スコープサイズ 124分
ユナイテッドシネマ大津(SC2)

■監督が「ロケッティア」とか「ウルフマン」のジョー・ジョンストンなので、つい期待してしまったが、結局は、アメコミ映画のレベルを超えてはいない。というか、明らかに来年公開の「ザ・アヴェンジャーズ」を成立させるために、間に合わせで作られたという印象がぬぐえない一作。

■さすがにジョー・ジョンストンなので、取り組み方は非常に誠実なので、悪い気はしないのだが、スペクタクルシーンのアイディアなど、突き抜けたところが無い。特に、悪役の造形に現代性とか批評性が感じられないのが、最大の欠陥だろう。

■主演のクリス・エヴァンスは快男児で、ヒーローとしては申し分ない。虚弱体質で兵隊に志願しても落とされてばかりの小男が人体改造の被験者に抜擢されるのだが、その理由が明かされるあたりは興味深いのだが、その後テーマ的に十分に掘り込めていない。実験の失敗で生まれたヒーローの出来損ないと対峙するといったプロットなら燃えるのに。まあ、今回の悪役もそういう趣旨なのだろうが、悪の描きこみが非常に類型的で、どうも盛り上がらない。

■いちばん愉快だったのは、主人公が戦時国債のキャンペーンで活躍するシーンで、アメリカ映画らしいミュージカル味が楽しめる。楽曲もいいので、ヒーローとしてはカッコ悪い部分なのだが、映画としては一番面白いのだ。

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