バトルシップ ★★★★

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BATTLESHIP
2012 スコープサイズ 130分
Tジョイ京都(SC2)

■ハワイで合同軍事演習中の海上に突如エイリアンの巨大メカが出現、バリアを展開して日米の駆逐艦3隻が閉じ込められてしまう。地球の危機を救うため反撃を開始するが、2隻は轟沈、米駆逐艦1隻に日米の生き残りたちが終結するが・・・
浅野忠信が準主役で大活躍するSF大海戦映画。痛快丸かじりとはこの映画のことだ。無駄なVFX多用による冗長なスペクタクル映画かと危惧していたが、さすがはピーター・バーグ、一部に無駄なVFXや無駄な空撮は見られるものの、ちゃんとメリハリが利いているから感心、感心。ザ・ロックの『ランダウン』という小品でも筋のいい活劇職人ぶりを発揮していたが、ここでもその腕は十分に発揮されている。
■お話は海戦活劇+空想冒険活劇という単純なもので、それでも主人公(テイラー・キッチュ)の成長や海上での知能戦や意外や意外の切り札登場まで、アイディアは盛りだくさん。それをきちんと活劇として生かしきっているから立派。燃える見せ場が数箇所ある。たとえば、兄の指揮する駆逐艦を目前で轟沈させられて復讐に燃える主人公が総攻撃を指示するが、部下の進言で海自の駆逐艦の生存者を救助に向かうところなど、非常に素晴らしい見せ場だし、海自の生き残り浅野忠信の名指揮官ぶりを見て主人公が艦長の座を明け渡す場面なども語りはあっさりしているが名場面だ。こういう場面を案外さらりと語ってしまうのがピーター・バーグの趣味のよさ。
■とにかくILMによるCG物量攻撃映画なのだが、演出がいいからスペクタクルのためのスペクタクルに堕していない。本当はもっと無駄を削れば良いのだが、それでもこのタイトさはハリウッド映画の大作としてはレベルが高い。因縁の真珠湾を舞台に日米の海軍が共同作戦を展開するという素晴らしい着想も気が利いているし、クライマックスのあっと驚く隠し玉も、開いた口が塞がらない痛快さで、アナログ世代の意気に感じる名場面だ。
■それにしても、この映画の特撮場面の見せ場には東宝特撮戦記映画の有名な見せ場が引用されているような気がしてならない。『太平洋の嵐』『太平洋奇跡の作戦 キスカ』『連合艦隊』、さらには驚愕の『日本海大海戦』まで、円谷特撮、中野特撮の名場面が、あんなところにもこんなところにも顔を出し、「特撮者」としては狂喜するばかりだ。ピーター・バーグ、『日本海大海戦』の東郷ターンはもちろん、絶対『連合艦隊』の大和登場シーンも見ているよな。

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バトルシップ (字幕版)

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参考

一方で、こんな実録物の傑作を軽々と撮ってしまうピーター・バーグ。どうかしてるぞ。
maricozy.hatenablog.jp
こんなのも撮ってるけど、みんな知らんだろ?おもろいで。
maricozy.hatenablog.jp
忘れちゃならない『キングダム 見えざる敵』。ピーター・バーグ出世作。真面目路線の白眉。
maricozy.hatenablog.jp