パトリオット・デイ ★★★★

f:id:maricozy:20190410205708j:plain

Patriots Day
2016 スコープサイズ 133分
DVD

パトリオット・デイ [Blu-ray]ボストンマラソンで起こった爆弾テロ事件の発生と犯人逮捕までを描く実録映画。脚本と監督をピーター・バーグが担当する。何しろ、配役が贅沢なのでワクワクするわけだけど、何しろ実録なのであまり自由な脚色はできない。最期には本人たちも登場するからね!しかし、まあ見事な出来栄えです。

■主演のマーク・ウォールバーグが非常にいい味を出していて、本当にいい役者だと感心する。脳タリンなマッチョを演じることも多い人だが、本作は自身で製作もしており、本気モード。強面でこの人が主演なら大概の悪者はかないはしないという安心感を映画にもたらすタイプのひとだが、ここでは警察官としてのリアルな生活者の哀愁を演じる。クライマックスでこの映画のテーマを語る場面も、嫌味にならない。

ケビン・ベーコンはFBI捜査官として登場して、現地の警察と軋轢を演じるがなにしろ本人が最後に登場するからあまり突っ込んで無能には描けない。それでも、よく本人が許したなと思うよ。

■終盤で犯人の妻を尋問する場面も実際にこうした形で行われたのだろうが、異様で絶望的な断絶を実感させる。カンディ・アレキサンダーという女優が尋問官を演じるが、これは脚本と演出の勝利だろう。ピーター・バーグイーストウッドに接近しつつあることを感じさせる名場面。

■しかも、犯人との銃撃戦の激しさも圧巻で、アクション映画としても上出来。本当に住宅街であんな派手は銃撃戦を演じたのか、ちょっと盛り過ぎではと感じるが、やっぱり上手いなあ、ピーター・バーグ。アクション映画としてのカタルシスをここで与えておいて、ラストのヒューマニズムで涙を誘う。娯楽映画としても満点じゃないか。


参考

ピーター・バーグといえばこの快作。みんな大好き『バトルシップ』!
maricozy.hatenablog.jp
これを忘れちゃいけない。出世作ですね。
maricozy.hatenablog.jp

© 1998-2024 まり☆こうじ