アフター・ウェディング ★★★☆

EFTER BRYLLUPPET
2006 ヴィスタサイズ 119分
DVD

■インドで孤児たちの救援事業にあたるヤコブマッツ・ミケルセン)のもとに、実業家ヨルゲン(ロルフ・ラッセゴード)から資金援助の申し出があり、久々に故郷デンマークへと戻るが、ヨルゲンから娘アナの結婚式に強引に招待されたことから、意外な事実に直面することに・・・

デンマークの才媛監督スザンヌ・ビア(スサンネ・ビア)の秀作。まるで、昔のテレビドラマのように意外な人間関係が明かされてゆき、次第にヨルゲンが真の主役であるこことが明らかになる。その物語展開は、映画的というよりも、まさにテレビの連続ドラマ的というのが正直な印象だ。しかし、心の残るインドと、デンマークに生まれた新たな責任(あるいは予想外の僥倖?)の間で究極の選択を迫られるヤコブの最期の姿には、人生というものの名状しがたい苦さがよく表現されている。

■基本的に会話劇で、しかも主要な人物が二人ずつ順繰りに組み合わされて会話が交わされ、その中で人間関係のもつれや、修復が行われてゆく。地味な人間ドラマだが、何故か執拗な目元のアップやジャンプカットでメリハリを出している。しかし、そのまま舞台劇になりそうな脚本だなあ。

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