252生存者あり
2008 ヴィスタサイズ 128分
DVD
原作■小森陽一 脚本■小森陽一、斉藤ひろし、水田伸生
撮影■林淳一郎、さのてつろう 美術■清水剛
照明■豊見山明長 音楽■岩代太郎
特殊美術■井口昭彦 VFXスーパーバイザー・VFXストーリーボード■小田一生
監督■水田伸生
■海底から噴出したガスの影響で超巨大台風が発生、その第一波は巨大な高波だった。湾岸部は水没、地下鉄構内に取り残された人々に、暴風雨が迫る...というお話だと思うけど、明らかに企画開発の混乱が見て取れる映画で、謎だらけの映画だ。
■そもそも、これ『地震列島』に似ており、まるで同じ感じの地下鉄構内水没の阿鼻叫喚が描かれる。(しかもかなり冗長で、ギャグかと感じるほど)ミニチュアワークまでそっくりだ。でも、地震じゃなくて、高波ですよと言い訳するが、VFXで描かれるその情景はまるで大津波のそれ。フジテレビ社屋の崩壊の仕方など、完全にギャグ。何がしたかったのでしょうねえ。
■そもそもこの監督、どうもギャグを入れたくて仕方ないらしく、随所に変な脱臼を敢えて残している気がする。さらに、制作がツインズなので、こうした超大作映画のルックの把握が不十分で、清水剛を呼んできて東宝映像美術の力も借りるが、明らかに撮り方とかエキストラの捌き、ロケ地設定等が貧乏くさい。ホテルのロビーを借りて対策本部を設置する設定も、変な幟が立っていたりして、場違いな印象が拭えない。『海猿』シリーズの清水剛の仕事と比べるとその違いがよくわかる。
■それでも最期に伊藤英明が地下から救助隊を逆に背負って姿を現す場面は変に腑に落ちるから、なぜか満足感は高い。なんとなく『海猿』に続く、という感じの終わり方なので、『海猿』のDVD借りちゃったよ。なんだか日テレとフジテレビで慣れあっている感じがするなあ。いいのか、それで。
■製作は日本テレビ放送網、讀賣テレビ放送、バップ、ワーナー・ブラザース映画ほか、制作はツインズ。