ゴースト・ライト ★★★☆

HALF LIGHT 2006 スコープサイズ 110分 @DVD

■幼い子供を事故で亡くした女流作家が、灯台の見える岬に引っ越してスランプ脱出を目指すが、灯台守の青年と恋に落ちてしまう。だが、彼女の周りには亡くなった子供の幻影が付きまとい・・・

■というサスペンスタッチの怪奇スリラー映画で、日本では劇場公開されなかったらしい。主演はデミ・ムーアなので、邦題にはゴーストと付けてみましたが、ビデオスルーですね。でも、実はけっこう良作ですよこれは。最近、こういうこじんまりとしたスリラー映画が無くなって残念です。ブラムハウスは頑張ってますけどね。

■クレイグ・ローゼンバーグが脚本と監督でどちらも秀逸ですよ。強風が吹きすさぶ寒々しい岬の情景を生かしたロケ撮影の効果が絶品で、やはり実景の威力は絶大。『ライアンの娘』のイメージも入っているだろうね。デミ・ムーアが深夜テレビでかかっている『大怪獣ガメラ』の大音響にぎょっとするショックシーンがあったりするのは、監督の趣味でしょうか。

ヒッチコック的なトリッキーな展開に、あまり現実味は無いけどあっぱれな悪だくみ、そして実は怪談映画的な決着も取り入れて、十分によくできた盛りだくさんな楽しい映画。ただ、もっと灯台にまつわる怪談映画の要素を強調してほしかったね。

■忘れ去られるには惜しい秀作なので、好事家はぜひ。

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