The Shape of Water
2018 ヴィスタサイズ 123分
Tジョイ京都（SC8)
■デル・トロの最高傑作とかやけに高評価な映画なのだが、個人的にはあまり感心しなかったな。デル・トロのファンタジー体質がどうも肌に合わないのだ。確かにビジュアルの絵画的センスは凄いので、特質すべき才能なのは間違いないが、半魚人とファンタジーは食い合わせが悪くないか？人魚ならまだしも。
■デル・トロは自分が製作して若手に撮らせるホラー映画でも最期はファンタジーにしてしまう悪癖というか志向の持ち主で、自分が撮るときはもうコテコテのファンタジーになる。本作も、もう少し怪奇SF寄りなのかと思いきや、徹底してファンタジー。なのに、自慰行為は出るし、激しい腰使いはあるしで、おとなのファンタジーではある。
■しかし、サリー・ホーキンスと半魚人が簡単に結びついてしまうし、そこに切実さが無いし、あまり感情移入する要素がない。フォックスサーチライト系の低予算映画なのに、映画美術的には豪華絢爛な印象だが、どうもビジュアルな世界観ありきで、リアルな大人の心情に即したファンタジーではない。楽曲は粒ぞろいで流麗なので楽しいのは確かだが、それ以上に刺さる部分がないなあ。
