悪魔が不気味に戻ってくる!「The Return of Andrew Bentley」ボリス・カーロフのスリラー #49(S2#12)

■久しぶりにまったりとした古風な怪奇映画を観たくなったので、またまたボリス・カーロフの『スリラー』に戻ってみました。

■原作はオーガスト・ダーレス&マーク・スコラーの「戻ってきたアーノルド・ベントレー」という怪奇短編。その昔、珊瑚書房の怪奇小説アンソロジー『カンタービル館の幽霊』に収録されたらしい。原題は「The Return of Andrew Bentley」なので、なぜか名前が変更されている。おまけに、水木しげるゲゲゲの鬼太郎の「モウリョウ」のエピソードに翻案したらしい。だとすれば、原作小説じたいがマイナーな作品なので、水木しげるはおそらく『スリラー』のこのエピソードを観たのではないか。脚本がリチャード・マシスン、監督と主演がジョン・ニューランドという、マニアにはたまらない座組。

■いかにもらしいといえる持って回った趣向で、アンドリュー・ベントレーという黒魔術師がいて、主人公(ジョン・ニュージランド)の叔父が黒魔術に凝って、彼に付き従うが、怖くなって2年前に殺した。その後、叔父が自殺すると、アンドリュー・ベントレーが復活して、地獄から連れてきた使い魔の依代として叔父の遺体を狙うというもの。なんというか、分かったようなわからない話なのは、この種の怪奇小説にありがちなことで、脚色はリチャード・マシスンだけど、捻ったオチではない。

■主演がジョン・ニューランドなので、『世にも不思議な物語』かと混乱してしまうけど、演出はこちらの方が派手になっている。特に音の演出が派手目で、基本的に怪奇実話を淡々と描く『世にも不思議な物語』とはタッチが異なる。アンドリュー・ベントレーはまるっきり吸血鬼のように登場するし、その召喚した使い魔は変なマスクを被ったおじさんだ。そこのところは造形は後の『アウター・リミッツ』にかなわないし、明らかに弱い。ただ、ゴシックホラーの道具立てと雰囲気描写は念入りで、特に2年前に死んだアンドリュー・ベントレーの遺骸を暴いて滅却する場面などは陰惨でいい雰囲気。このあたりは、「鳩は地獄から来る」とも通底している。

■それにしても、この『スリラー』シリーズは原作となる怪奇小説のチョイスが妙に地味な感じがするなあ。本格的な特殊メイクなどがいらないものを選んだということだろうか。

←同好の士はクリックよろしく!

© 1998-2024 まり☆こうじ