ありきたりだけど手堅いティーン向けスリラー『7ウィッシュ』

基本情報

Wish Upon ★★★
2017 スコープサイズ 90分 @APV

感想

■『アナベル 死霊館の人形』でお馴染みのジョン・R・レオネッティ監督によるティーン・エイジャー向けのスリラー。父親からもらった中国製のアンティークなオルゴールは七つの願いをかなえてくれる不思議な力を持っていた。貧乏でスクールカースト最下位の女子高生は他愛無い願いを次々に祈ると巨額の遺産は転がり込むわ、片思いの彼氏が良い寄ってくるわで、人生はバラ色に。だが、そのオルゴールには曰く因縁があり、願いには「血の代償」が必要だったのだ・・・
■という昔から百も二百もありそうなお話で、ホラーというよりも典型的な”奇妙な味”のスリラー。「血の代償」が誰にお襲いかかるのか、その法則性が不明なので、サスペンスを生む仕掛けで、そこは上手い。ジョン・レオネッティの演出もオカルトホラーであった『アナベル 死霊館の人形』の雰囲気重視のじっとりとしたテンポではなく、もっと乾いたテンポでサクサク物語る。カット尻に全く余韻を残さないどころか、若干食い気味に転換してゆくタイプの編集だ。編集はいつもはコメディ映画を主に担当しているペック・プライア―という人で、さもありなん。
■レーティング対策だろうか、血も流れないし、ゴアな残虐シーンはないから安心して楽しめるが、そこが一般観客にはぬるく映ったかもしれない。興行も批評も芳しくなかったようだが、決して不出来な出画ではなく、脚本が狙ったところに正確に着地するウェルメイドな映画であって、ジョン・R・レオネッティの職人監督ぶりを堪能できる。バーバラ・マーシャルの書いた脚本は、明らかに『アナベル 死霊館の人形』の画竜点睛を欠いた脚本よりも上出来だ。ラストのツイストも見事なもので、まあ当たり前といえばそうなのだが、演出が大成功しているから楽しいよ。
■まあ、全体に斬新なアイディアではないから、とにかく刺激を欲する向きからは無視されるかもしれないが、十二分に楽しい映画。ジョーイ・キング演じる貧乏なヒロインの人間像も結構突き放した描き方で、「恥垢」を巡る映画史にあまりに残るくだらない口論には唖然とするけどね。。。

参考

ジョン・R・レオネッティといえば、これ。みんな飛び上がれ!maricozy.hatenablog.jp
何故か癖になる、何度も観てしまうチャーミングなオカルト怪奇映画。
maricozy.hatenablog.jp