ハッピーフライト ★★★☆

ハッピーフライト
2008 ヴィスタサイズ 103分
DVD

ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]
■久しぶりに観直してみたけど、『WOOD JOB!』の方が傑作ですね!本作も非常によく取材したオリジナルの娯楽映画で、職人監督としても見事なのだけど、綾瀬はるかの扱いが小さいのが残念だね。実際の主役は田辺誠一だから、バードストライクを食らってピトー管を損傷して台風の影響が残る羽田空港に臨時着陸するというサスペンスを見事に構築して見せるのは偉業だが、綾瀬はるかは群像劇の一員に過ぎない。むしろ、吹石一恵の綺麗さの方が目立っているね。

■改めて特撮シーンの出来が良いのも美点で、どこがミニチュアでどれがCGなのか見分けがつかない場面が多く、でもやっぱりミニチュアならではの質感と光線の反射の具合や塊り間が絶妙で、特に大スクリーンでみたときの見栄えが良いんだよね。雨の中の着陸シーンは実写ベースなのか、CG機体なのか全くどう撮ったのかわからない。

■この当時の特撮研究所東映アニメのCGチームのコラボは本当に相性が良かったので、また東映の大作でお願いしたいなあ。本作の特撮のリアリティに比べると『WOOD JOB!』の大特撮はふざけすぎなのだが、その人を食った姿勢が矢口史靖そのものなので、佛田洋はちゃんと監督の志向にマッチした演出を行って、監督の演出意図を汲んでいることがよくわかる。自分のやりたいことよりも監督のやりたいことや方向性を優先する、特撮監督かくあるべしという演出姿勢だ。

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