ロボジー ★★★

映画 ロボジー オリジナルサウンドトラック
ロボジー
2012 ヴィスタサイズ 111分
MOVIX京都
脚本■矢口史靖 脚本協力■矢口純子
撮影■柳島克己 照明■長田達也
美術■新田隆之 音楽■ミッキー吉野
VFXスーパーバイザー■石井教雄
監督■矢口史靖

ロボットコンテストに間に合わせるために、ロボットの着ぐるみの中にじいさんを入れて誤魔化そうとしたところ、かえって大評判となってしまい・・・
■いろいろと疑問点は少なくないのだが、ほとんど予備知識無しで見たおかげで、かなり楽しめた。正直、前半はどうなることかと心配したが、後半はちゃんと乗せてくれるから、さすがに矢口史靖。このお話は、矢口史靖の着ぐるみ愛の告白だと思う。だから、東宝撮影所で撮る事に重大な意味がある。今度のゴジラはCGにするべきなのか、着ぐるみにすべきなのか、を論争するようなお話なのだ。
■今回はなぜかヒッチコック風味のトリックとかアイヴァン・ライトマンの傑作「デーヴ」を思わせる偽者の退場とか、なかなか技巧的な冴えを見せ、近年テレビ局製作の邦画の悪弊である感動の押し付けなど一切目もくれないし、恋愛ドラマにも全く寄り道しないという清清しさ。特に、大学での特別講義が逆にロボット設計になってゆく辺りの展開の上手さはちょっと邦画ばなれしている。まあ、三谷幸喜の「笑いの大学」とかヒッチコックの「引き裂かれたカーテン」に似ているのだけどね。
■ただ、ロボット開発チームの三人組はもう少し感情移入の出来る人物造形が欲しいところだし、特に前半はもう少しテンポアップすべきだろう。岡本喜八増村保造の出たての頃の弾むような編集テンポなんかを真似すればいいのに。
■製作は、フジテレビジョン東宝電通アルタミラピクチャーズ、制作はアルタミラピクチャーズ

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