■が、もしやと思ってCR-D1に繋ぎ替えて鳴らしてみたところ、アンプでこんなに音が変わるかと驚くほど音の性格が変化してしまった。PMA-390SEは音場が立体的で広く、いかにもオーディオ入門編というフルサイズオーディオの世界の片鱗を感じさせる筋のよさがある一方で、音数の多い音源では団子状態になって、いまいち抜けがよくない感じがしていた。それがまったり感となって心地よかったりもしたのだが、CR-D1に替えると、音数が増え、音素が引き締まり、なにより音のスピード感が明確にアップした。音像の広がりは減って、そういう意味では平面的な展開になるのがハーフサイズの限界だが、クラシックはあまり聞かず、最近は古い歌謡曲などの歌ものがメインなので、歌唱がグッとせり出して、力感が増して、聞いていて気持ち良い。音素がグッと引き締まり、低音の制動もよく効くようになって、筋肉的な低音になった。それは、明らかに20クルトミューラーコーンのウーファーをがっちり駆動していることを表している。
■ただ、CR-D1の持ち味である元気一杯出せる音を全部主張するというポリシーから、ソースダイレクトモードでは高音が耳についてうるさい面があり、トーンコントロールを積極的に使って、トレブルは少し絞っているし、逆にバスは補強している。CDを再生する場合などではダイレクトモードでバランスがとれているようだが、ラジオやテレビ音声を流している場合は、これくらいの補正で、耳に心地よく、それでいて元気な音の抜け具合と両立するようだ。なにしろSX-500IIは密閉型スピーカーなので低音は控えめなので、少々バスをブーストしても全然ボンつかないし、引き締まった早い低音が楽しめる。これだから大型密閉型スピーカーはやめられない。
■という経緯でCR-D1のデジタルアンプの真の実力を改めて再発見したわけだが、そういえばこれにはLTD版があったはずで、中古でいいから欲しくなってしまう。既にCR-D2も生産は終了し、その後はネットワーク対応型のレシーバーアンプに進化しているようだが、なぜかアンプ部分はデジタルからアナログに戻っているのが不思議なところ。正直、安価なアナログアンプでは大型ウーファー(といってもうちの場合は20センチだけど)を機敏に駆動するのは難しいと思うのだがなあ。
■一概にデジタルアンプといってもケンウッドのR-K1000などはオンキヨーとは音作りが真逆で、まったりと大人しい上品な味わいとなっているから、デジタルだからこんな音、アナログだからこんな音と単純には決められないのだが、大型ウーファの駆動力にはデジタルアンプのほうが分が良いのではないかと実感した次第だ。CR-D1でSX-500IIがこれだけ鳴るのなら、トロイダルトランスを2つも載せたデジタルアンプの名機とも言われるA-1VLだと一体どんな音がするのかなあ。。。
参考
評判が良かったので改良版も出てました。中古で安く入手できますが、状態が良ければ楽しめますよ。
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