原子怪獣現わる ★★☆

原子怪獣現わる [Blu-ray]

原子怪獣現わる [Blu-ray]

  • ポール・クリスチャン
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THE BEAST FROM 20,000 FATHOMS
1953 スタンダードサイズ 80分
DVD

■モノクロ、スタンダードで独立プロで製作された低予算モンスター映画。なので、レイ・ハリーハウゼンのモデルアニメも必要最小限にとどめられ、肝心の怪獣くんもなかなか上陸してくれない。その焦らし効果はしかし計算ずくなのだろう。本土に上陸してからはそれなりに暴れまわってくれるから、満足感はある。有名な灯台のシーンも非常にシンプルな画面構成だが、合成が丁寧なので効果は大きい。

■ウィリス・H・オブライエンも晩年は超低予算映画しか声がかからず、「黒い蠍」など本作に比べてもさらに低予算だったが、本作は低予算とはいえそれなりに見栄えは確保している。一番の違いは合成カットの精度だろうなあ。レイ・ハリーハウゼンはスクリーンプロセスを独自に改良して立体的な合成カットを綺麗に仕上げる方法を確立した。オブライエンの場合は「キング・コング」とか「猿人ジョーヤング」であれだけ見事な合成を見せたのに、何故かそこが晩年はガタガタになってしまうのは、あまりの低予算で合成スタッフを手配できなかったためだろうか。実際、晩年の作品では撮影所のスタジオも使用できず、助手のピート・ピーターソンの自宅スタジオで撮影していたらしい。しかも、ピート・ピーターソンは難病でほとんど動けなかったというからね。

■怪物がもたらした謎の細菌で兵士たちが倒れてゆくという趣向は今見ても斬新。血や肉が四散すると町中が汚染されるので重火器が使用できないというアイディアは今でも十分使えそうだよ。

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