THE HEARTBREAK KID
2008 スコープサイズ 116分
DVD
■ファレリー兄弟がニール・サイモンの映画をリメイクしたセックス・コメディ映画で、日本ではビデオスルー。それもそのはず、極めて下品な下ネタが大量に投入されているからだ。でも、お話の骨格はしっかりしているので、ちゃんと腑に落ちるオチまで堪能できるから侮れない。
■とにかく、タイトルロールのライラという娘の強烈な壊れ方には、キャラクターに対する純粋な悪意すら感じるほど。演じるマリン・アッカーマンという女優も、よく演じたものだと感心する。悪い意味で。
■正直に言って、ライラの表現をあれほど下品にする必要はないので、ファレリー兄弟の性向およびアメリカ人の好みなのだろうが、普通の日本人にとっては非常に歪な表現に映るだろう。最近のアメリカのコメディ映画って、なんであんなに下品なギャグに走るのだろうか。不思議でならない。
■でも、映画としてはちゃんと成立しているところがファレリー兄弟の安定感で、ベン・スティラーは嫌な男のはずなのに実に爽やかで肩入れしたくなるし、後半に登場するミシェル・モナハンも一方にライラという怪物がいるおかげで、非常に得な役回りで、実際凄く魅力的に演じている。なるほど、ライラというキャラクターは人間ではなく、怪物と割り切って演出しているのかもしれないな。