ドクトル・ジバゴ ★★★★

DOCTOR ZHIVAGO
1965 スコープサイズ 194分
DVD

ドクトル・ジバゴ 特別版 [DVD]
ロシア革命の動乱が支配する20世紀初頭のロシアで、運命の女ラーラを巡って入り乱れる男達の姿を骨太に描き出した大河メロドラマ。事件は青年医師ジバゴの視線を通して、異母兄のアレック・ギネスの語りで解き明かされるという捻った作劇になっている。ジバゴとラーラが映画中盤までなかなか出逢わないというのも捻った構成で、悠々と接近しては遠ざかってゆくドラマはサスペンスを生むと同時に、大河ドラマならではの雄大な起伏を生んでいる。

ジュリー・クリスティ演じるヒロインであるラーラに、並み居る曲者の男達を迷わす魔性が感じられるかどうかという根本的な問題点があると思うが、3時間以上の長尺を飽かせることなく見せ切るデビッド・リーンの演出力と巧みなケレン術には感心する。特に前半の幕切れとなる赤い機関車でトム・コートネイが再登場する場面は、映画史に残る名場面だ。

■貴重なメイキング映像も見られ、なんとスペインにロシアの町並みや、あの有名なベリキノの屋敷も、みんなセットとして構築されたというのが、超大作たる所以で、臆せずひたすら堂々と見せるところがデビッド・リーンの真骨頂。しかも、撮影は当初ニコラス・ローグが担当していたが、監督とぶつかって降ろされたのだと。ここで降ろされなければ、後の映画監督ニコラス・ローグはなかったかもね。まあ、「赤い影」くらしか観てないのだが。



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