旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ ★★☆

旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ スペシャル・エディション [DVD]
旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ
2009 ヴィスタサイズ 112分
イオンシネマ久御山
原案■小菅正夫 脚本■輿水泰弘
撮影監督■加藤雄大 照明■山川英明
美術■小澤秀高 音楽■宇崎竜童、中西長谷雄
VFXスーパーバイザー■石井教雄
監督■マキノ雅彦

■ポスターのデザインは子供向けの動物映画風に見えるが、実際はむしろ大人向けのプロジェクトXモノ映画。脚本の出来にも疑問点は多く、エピソードの処理に杜撰なところも多いのだが、原作になっている事実の面白さで、案外観ていられる。さらに、無駄に(?)豪華な脇役たちの顔ぶれだけで楽しい気分になるのも事実。岸部一徳柄本明塩見三省長門裕之という、どう考えてもみんな定年を超えてるだろうという、ありえない面子が強引で楽しい。
マキノ雅彦の監督作品は初めて観たのだが、やたらと変な効果音を頻発して、劇的な見せ場になると、猛獣たちの泣き声や、飛行機の爆音や、その他あからさまな効果音が大音響で鳴り響くという、ギャグとしか思えない演出で、失笑を買うのだが、監督は単に耳が遠いのではないか?効果音を入れ替えるだけで、★★★になるのだが。
■しかし、イオンシネマ久御山の上映環境が悪いのか、異様に画面が暗く、メリハリの無い、色のくすんだ薄暗いルックなのは難だ。撮影監督はベテランの加藤雄大だが、まるでいいところがない。ひょっとするとビデオ撮影かもしれないが、それにしても、角川映画なので製作費は少なくないはずで、この貧相なルックはいただけないよ。
■動物の表現には江川悦子や若狭新一の特殊造形が使用され、危険な動物と役者のからみにはデジタル合成が駆使されている。ハリウッドではこうした形での動物と人間の交流を描く映画がいくつか例があるが、日本映画としてはユニークな動物映画といえる。デジタル技術による動物映画の試行として技術的な意味合いでも興味深い映画である。
■製作は角川映画、日本映画ファンド、NTTドコモ、制作は角川映画

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