Doctor Zhivago
1965 スコープサイズ 197分
TOHOシネマズ
■4Kマスターのデジタル上映で観て来たわけだが、まあニュープリント上映といわれてもわからないくらいですね。逆に、4Kだから高精細かといえば、特にそんな感じもなく、普通のデジタル上映とそれほど変わらないという印象。ただ、肌色の発色に違和感があり、ちょっと赤味が強すぎないか。特にジュリー・クリスティーの顔が異様に赤黒いのは奇妙だった。オマー・シャリフより顔色が濃いというのはおかしいだろう。これはマスター作成のときに何かの調整を間違っているのでは?
■しかも、撮影は70ミリではないのですね。70ミリ撮影の4Kマスターだとさぞや高解像度なんだろうが。
■改めて観ると、後半がどうも盛り上がらない。ジュリー・クリスティもオマー・シャリフも演技的に限界があり、メロドラマとしての高揚感があまり感じられない。ジバゴの最期にしても、演出が荒くて、あまり気が入っていない様子。そもそも、ジュリー・クリスティーは美人ではあるが、そんなに男を虜にする魔性には見えないから、根本的に説得力に欠けるわけで。デビッド・リーンはメロドラマの名手なのに、どうも荒い。ジバゴがラーラ(とその母)とコマロフスキーの関係を覗き見てしまう場面などはいかにも凝った演出で素晴らしいのに。
■大スクリーンとはいえ、シネコンのプレミアスクリーンなので、本来の大迫力とケレンを堪能したとはいえないかなあ。