男装の麗人 川島芳子の生涯 ★★☆

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男装の麗人 川島芳子の生涯
2008 ヴィスタサイズ ?分
テレビ朝日録画
原作■松村友視 脚本■龍居由佳里 音楽■荻野清子
演出■藤田明二

黒木メイサ真矢みき川島芳子を演じる伝記ドラマ。清朝親王(なぜか団時朗!)の王女が清朝復辟のために日本軍に協力し、利用しているつもりが利用され、心のよりどころであった溥儀の助力も得られず、自らのアイデンティティに困惑しながら漢奸罪で処刑されるまでの、数奇な人生をケレン味たっぷりに綴る。彼女の人生に重要な影響を与えたはずの山家亨少尉のエピソードが登場しないのだが、何故だろう。

■ドラマとしては核の部分が貧弱で、脚本の弱さはどうしようもなかったようだが、その人間像のユニークさで、ぐいぐい見せるし、主演の黒木メイサの日本人離れした風貌と、なかなかの力演で、男装の麗人の実在感を納得させる。正直、黒木メイサという女優がこれほど演技派とは思わなかった。

■溥儀を高島政伸が演じて、妙にはまり役。李香蘭堀北真希が演じ、1シーンのみゲスト登場。満映理事の甘粕を仲村トオルが演じ、田中隆吉を吹越満が演じるが、両者ともに軍人らしさが感じられず、説得力が無い。特に仲村トオルは年齢的にベテランの域だが、演技の質について難しい時期に来ているのではないか。もともと正統的な演技訓練を受けていないはずなので、ちょっと心配だよ。

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